灰色のつるりとした肌の中に、薄青い水晶石が不規則に混じる石塊。
ウルでしか産しない、美しい石。
それを人々が、墓標として使用しはじめたのはいつからか。
母のそれは父が探した。
父のそれは彼が探した。
薄青い部分はさほど含んではいなかったけれど、
がっしりとした形が父に合っていると、
幼心に思ったのを覚えている。
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