FFIII(FC版)
画像


管理人に御用の際は WEB拍手 にてお願いします。


12/3  内容と関係ない絵でごめんなさい


戦士と魔道士が並ぶことって、ほとんどないんだよね。
前衛後衛だから・・・描いてから気づいた。

鷹の爪、見ようと思ったら終わってました。ははは。
東の都に行ったので、JLの広告とかすごいんじゃねえのとか勝手に期待してたんですが、
一度も見なかった。勝手に期待してたから、ね。まあええねんけど、な。
映画はまだ見れてませんが、評価割れてるみたいで。よくも悪くも注目されてるってことだよね?楽しみ!

BvSの映像をちらちら見返してるんですが、執事と坊ちゃまと二人のシーン、おっさん二人のはずなのに、
なんか画面が華やかなんですよね。なんなんですかね、あれ。しゃべってるだけでお宝映像。
アルフレッドに、ブルースが珈琲入れてあげるシーンが好きです。
ご機嫌取りがちょっと入ってそうなとこが、またいい。
坊ちゃまは、珈琲入れるぐらいしか、キッチン使えないと良いなと思います。
でも獣肉はさばける、みたいな。


11/19  The Batman

最近お気に入りのシリーズ。ブルース26才、バットマン3年目。
若いからアゴが細いとかありなん?、いやむしろみんなしゃくれてる?!とか、
色々思うところはありましたが、今となっては夢中ですよ。堕ちるときは一瞬ですよ。

若ブルースのせいなのか、バットマンが表情豊かでめっちゃかわいい。かわいい。(2回目)
シンプルというか、イラストっぽい絵柄のせいもあるかなあ。線一本で表情ががらっと変わるんだよなあ・・・
ヴィラン(悪役)もかわいい。Mr.ペンギンをカワイイいう日が来ると思わなかったよ!
でも動きはとてもかっこいい。

あと、バットマンのマントがめっちゃ長いのが、ポイント高いです(笑)
マント芸人最高。引きずってるし!アニメ的演出ですね。
でも、動く感じはヒラヒラじゃなくてばさばさとした、重さを感じるとこがいい。
先っぽに鉛入ってるってホントなのか。
そしてよく敵にマントつかんで振り回されてる。そうだよね、やりたくなるよね。


11/9  魔法使いと弟子



11/1  取り留めなく

ワンダーウーマンに関してスルーでしたが、私彼女のコミック全然読んだことなくて。
あの★柄の赤(青)パンがどうもね・・・。
今回の映画で初めて見たんですが、美しい、とにかく美しい。
ガニマタで踏ん張ってようが、唇ぎりぎり噛みしめてようが美しい。素晴らしい。
映画自体は、うーん、ストーリーは激押し、というわけではないですが、
とにかく綺麗な人をみれるという点で、すごく良かったです。

JL・ブルース仕様のベンツが、かっこいいです。
流線型通り越して、水滴みたいなフォルムがすごくきれい。
玉砂利を思い出します。(※好きということです)
ちなみにベールバットはランボル様。こんなとこでも雰囲気の違いが出ますね。


10/28  モーグリ布団

犬や猫って、人が寝てると上手いことはまり込んできますよね。
居心地のいい場所を見つける天才だと思います。
ドーガの館のモーグリは、こんな動物的なことしないと思うんですが。
あくまで忠実な召使であって、ペットではないので・・・。でもして欲しい。

BvSの周辺映像の話。
トルコ航空コラボCMがいいです。これ、機上で見た気がするわ。うん、見た。
あと、ベンアフとバットモービル乗れる企画の、紹介映像も素敵。
こんなんされたらめっちゃ喜ぶよね、ってかみんな大喜びでかわいい。
今回のバットモービル、すごいかっこいいと思うんです。
いや、今までもかっこいいんだけど、これまた好みなんだろうな、あのごつさが。
我が家の周辺道路走ったら、間違いなく道路陥没しそうな重量感なんですよね。
まあまず道幅が無理か。うん、ツッコミどころはそこじゃないのは知っている。
まだ私は大丈夫だ・・・。(切なげに微笑みながら)
アホみたいに丸くてでかい、タイヤがいい。

とりあえず JL vs 鷹の爪団 は見に行こうと思います。ただし割引デー限定。


10/27  YogaBook × Krita


ちょっと前からこの環境で描いてます。
手を動かす速度に画面がついていけなかったり、線ががたついたりと使いこなせず、
買い物失敗したかなと思ったんですが、
キーボード部分を縦にすると、なんだか描きやすくなった。

付属のArtRageだと、追随性も色塗り機能も結構良さげでしたが、
Kritaの筆ツールの豊富さがゆずれませんでした。
あと、無料版だと保存時にロゴが出るのでカンベン。

ハローキーボードはまだ慣れません・・・ちょっと当たると入力されちゃうからなあ・・・
そういう仕組みだからな。調整しつつもなかなか。



10/24  バットマンとゆかいな・・・


海外アニメ見てます。スーパーマン、あいつ本気でなんでもありだな・・・。
BvSのバットマンの危惧は、もっともだと思いますよ!
バットマンとスーパーマンから波及して、JLまで行っちゃいました。
誰も僕を止めることはできない。
ちなみにJLはバットマンが集めたスーパーヒーロー軍団です。この秋映画公開予定。

偏った動画しか見てないのでアレですが、アニメバットマンは攻撃に対して避けの動作が多いんですね。
だって敵はあのスーパーマンを吹っ飛ばすからね。
そんな奴の攻撃食らったら、もう駄目ですよね、普通はね。ほぼ人外の他メンバーは置いといて。
だからだと思うんですが、動きが俊敏なのが、新鮮です。
スーパーマンがでかくてごつくて、これが一般イメージなんだろうなあ〜。
いろんなシリーズごとに作画も変わるので、一概に言えないけど。
バットマンは華奢とはいいませんが、シュッとしてるのが多い。
これはこれでかわいい。シルエットがアフリカオオコノハズクみたいで。


10/14  アルフレッド


アメリカ行ってきました。それはそれで勉強になったのですが、長距離飛行のお供といえば映画。
DCばっか見たよ。中でもバットマンVSスーパーマンがとても良かった・・・!

バットマンがビジュアル的にも性格的にもツボだった。(端的)

スーパーマンと並べると、バットマンが「結局は人間」(※お金と頭脳修正はあるけど)ってのが際立つんですね。
タイマンだと、勝負にもならないレベル。
そんなスーパーマンへの劣等感やら悔しさやら、復讐心やら・・・一般的にいう後ろ向きな感情が、
どんどんバットマンの原動力になっていく様が好きです。それでこそバットマン。

加えて、「もう若くないのに無理するな」と言われてしまう、
全盛期を過ぎたことなど自分が一番わかっちゃいるけどやめる気はない、
(やめたくない、も入っていると思う)、ちょっと疲れた壮年バットマン役にB・アフレックがぴったりだと思った。
マスクかぶるから余計に目を引くケツ顎も、もはや魅力でしかない。

映画前作のベールさんのバットマンも、素敵なんですけどね。
ブルース・ウェインのイメージとしては、彼のほうがいかにもボンボンですよね。
ブルースぼっちゃま。
年齢からも立場からも、アフレックバットはめっちゃ、落ち着いてますし。
ただ、バットマンとして見ると、アフレックバットのほうが私のイメージには近いです。
ベールバットはちょっと華奢に見えるというか・・・もうちょっとごつごつしててほしかったんだなって思いました。
二人を比較してはじめて気づいたよ・・・贅沢な気づき・・・!。
アフレックバットが、見た目近距離パワー型過ぎるわ。
ちなみにスーパーマンと並んでも、スーパーマンのほうが細いし、背も若干低い。
シュッとしたスーパーマンと、ガチムチごっつりバットマンの並んだ図もツボです。趣味です。

他のキャストも、皆かっこよくて好きでした。
何よりもアルフレッドが・・・とんがって華のあるアルフレッド。素晴らしすぎる。

帰りの飛行機で見たんですよ。
行きで見てたら、アメコミの専門店(一応調べてた)優先して行っただろうなあと舌打ちしつつ。
興味があれば、ぜひ。


8/11  海辺にて





7/4  モンクとオウム


時がたつのは早いね・・・・。もう7月か。

この組み合わせが好きです。


6/12  魔界幻士


言ってる先から絵板が死んだ模様。ログよさらば。
そしてKrita使い始めました。
機能の100分の1も使えてないだろうけど、楽しい!熱い!
かつて愛したpainter classicの機能は、かるく超えてるんじゃないだろうか・・・ありがたい。
睡眠時間けずって触って、会議(※ひたすら聞くだけ)の時に、地獄を見ました。ご利用は計画的に。
勢いで拍手絵更新しました。1種類です。


6/6  休憩中


親バカ絵ばっかですいません。

新しいお絵かきソフトに挑戦するものの、やはり使い慣れた絵板に戻ってしまってます。
筆圧を調整しきれていないのか、相性の問題か、線が気に入らなくて。エラそうですが切実。
しばらく理想のツールを探して、うろうろすることになりそうです。
無料でも、いろんなツールがありますからね!ほんとありがたい。

最近wikiで見た、FF3デザイナーの石井さんの言葉が好きです。
wikiそのまま引用ですが・・・
「魔道師は魔法力を高めるために自然素材のものを着ている、
召喚系のジョブは精霊の嫌う金属は身に着けないなど、
それぞれのジョブがその格好をしているのには理由がある」
こういうコンセプトって言うのかな、理由があるのがすごくいいなと思います。
親ばか絵は自分のために描いてるってのが一番ですが、見てもらう中で、
こういったこだわりへの敬意とか、それぞれのキャラ自身が持っているものを、表現できればいいな。


5/23  雑談中


大阪市立自然史博物館で、特別展「意志は地球のワンダー」開催中です。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2017ishi-wonder/

大阪市立科学館と共同開催なので、片方の展覧会のチケットを持参すれば、
もう片方が割引になるようです。
http://www.sci-museum.jp/event/#pl366

北川さんと金澤さん、個人2人のコレクションですが、
見事に傾向が違っていいですね〜。
北川さんは鉱物研究者だったそうですが、鉱物のビジュアルも好きだったんじゃないかな。
きれいだったからつい買っちゃったよははは的なとこがあったんじゃないかしら。※妄想
金澤さんは、化石よりなので、ひたすら渋い。
大阪市立自然史博物館の本館では、収蔵品としての鉱石もあります。ぜひ。


5/9  のこされるものたちへ


永遠とはいわないが、長い時間を生きてきた。
それがもう、終わろうとしている。
なさねばならぬことがある。そのために、この命を捧げるのは惜しくない。
だが、未練がないわけではない。叶うことなら、彼らの行く末を見届けたかった。


これでも、大魔道士と呼ばれた身なのだが。
いまさら、何を言って良いかわからないなど情けない。だが、伝えたいのだ。


 横たわる異形の傍らに、若き黒魔道士はひざをつく。
「モーグリどもを、どうすんです。」
 俺はいやですよ、あいつら泣かせるの、と肩をすくめて彼は続ける。おどけたようなもの言いは、普段とまるで変わらない。けれどドーガは気づいている。いや、最初からわかっていたことだ。
「お前たちには、つらい思いを、させたな。」
 もう長くない自分たちを悲しませないため、心配をかけないために、なんでもないのだというふりをする。少年たちの精一杯の虚勢であり、思いやりであった。
「・・・だが、謝らんぞ。」
 かすかに、本当にかすかに笑いを帯びた自分の声に、ドーガは満足した。謝らねえのかよ、と軽口の応酬が続くはずだった。常ならば。
 が、黒魔道士の口から、言葉は出なかった。かわりに彼は唇を噛みしめた。かつての日常が失われることに、胸が軋んだ。 絶対に泣くまいと、これ以上芝居を続けることはできない自分を哂うことで、笑おうとした。


覚悟はしてたけど、つらいことだね。
あの子たちは、やさしい。確実に傷付いただろうから。傷つけただろうから。


「泣くんじゃないよ。あんたはほんとに、やさしい子だ。」
 傍らに控える白魔道士の気配に向かって、ウネはゆっくり手を伸ばす。人ならざる手が、これ以上この子たちを傷つけないよう、慎重に。 やがてくしゃり、と柔らかな感触に触れた。
「これは必要なことだったんだ。」
 蜂蜜色の頭をなでる手は、いびつに大きくミイラのように干からびて、けれどもとても温かい。優しいのはウネだと、言葉にしようと口を開けば嗚咽がもれるふがいなさに、白魔道士は歯を食いしばる。
 今、伝えなければいけないのに。伝えたいのに。


彼らがどんな表情をしているか、もうその目には映らない。
その手を、彼らは握りしめる。名を呼ぶ。けれども、答える声はない。


少年たちよ、なぐさめになるかはわからないけれど。
私たちの意志は、お前たちの中に受け継がれた。
これは、確かに喜びなのだ。

どうかやさしい少年たちよ。



5/7   エウレカにて


 剣を振るうことを恐れなかったのは、それがいつも何かを守る為のものだったからだ。 ある時は自分自身を、またある時は仲間達を。

 寡黙な魔道士と陽気な魔女と。二人の殺気はばかばかしいほど高まっていた。
 攻撃をためらった仲間は、一瞬で吹っ飛ばされた。防護魔法を受けていなければ、最悪の事態になっていたことだろう。
 黒魔道士が素早く印を組み、魔道士ドーガと対峙する。そして彼の前には、ウネがいた。殺気なのか妖気なのか、それに闘いの高揚感が加わって、頭の奥がじんじんと痺れた。剣を握り締め、引きずられるなと彼は念じる。これに飲み込まれたら、自分は一生後悔する。あますことなく見届けておきたかった。

 突き出した一撃はあえなくかわされ、お返しとばかりに空気が刃となって降り注ぎ、避け損ねた箇所に鈍い痛みを引き起こす。彼の身を案じる仲間の声に、返事代わりに軽く剣をあげつつ、再び魔女との距離をはかる。
 遠くから響く黒魔道士の呪文の詠唱と、風が渦巻く音とがあいまって、歌のようだ。そしてそんなことを思う自分を、随分余裕があるものだ、と他人事のように思う。

 一瞬たしかに覚えた胸の痛みを、心の底にしまいこむ。そうそれは、恐れではなく痛みであった。この先に何があるかはわからなかった、だが最後まで進むと決めた道だった。切り開かねばならなかった。
 再び、彼は大きく剣を振りかざす。風の音が高くなる。


4/30   



文楽「曽根崎心中」見てきました。人生2回目の文楽。
人形が、ものすごく柔らかく動くのに感動。ちょっと怖いくらい。
女人形など、実際の女性以上になよやかで、イメージ通りの女性らしい動きというか。

昔原文を読んで凄みに圧倒されたこともあり、楽しみにしてました。
近松門左衛門の言葉の使い方が、好きです。
語る劇なので当然かもしれませんが、とにかく文のリズムを大事にしている。
そのせいか、飾り言葉も多いのですが、ひとつも無駄に感じない。
それに三味線がのって、ロックでした。かっこいいよ!

人形一人に、黒子も合わせて3人の人間がつきます。
5人の登場人物がいたら・・・5×3で15人が、舞台にひしめいているわけです。
写真で見たらめっちゃシュール!ですが、実物を見ると、気になりません。
引き込まれてた証かしら?私だけかな。みなさんどうなのか、聞いてみたいとこですね。

なんせ長いし(1公演4時間!)、安価でもないので積極的におすすめはしませんが。
興味が少しでもあるのなら、一度行ってみてはと思います。
太夫の語りを可能な限り現代語に近づけたり、字幕を出したりと、色々と工夫してくれていて、
だいぶとっつきやすくなっています。もちろん演目は選んでね。

画像は関係ありません。つつじがきれいなので、つつじ色を使いたかった。


4/18   

ウネと少年たち マンガアップしました。
ここで上げてた分を、まとめたものです。 ウネがアダマンタイトを吹っ飛ばすシーンが印象に残ってて。
夢の世界から岩を呼び出すってのも、別格感があっていいなあと。


3/25   




「長いな」
ネコって、持ち上げると伸びませんか。

2/25   




イケメンに描きたいデッシュ。
少年たちから見れば、(悔しいけど、なんだかんだ言って結局は)かっこいい男なんだけど、
デッシュはデッシュで、年下にカッコ悪いとこ見せれないと、気を張ってたらいいなあと思います。

2/8   




エリアを失った後の、モンクと戦士の話をリライトしました。
どうしても消化不良で、ずっとちまちま直していたという。


2/4   

 階段を上りきったところで、白魔道士は首をかしげる。
 泣き声が、聞こえた気がした。あらためて耳を澄ますが、物音ひとつしなかった。 見回すそこは、石造りの重厚な雰囲気も相まって、幽霊の1匹や2匹いてもおかしくない気もするものの、今は昼間だ。 もっともこの場所ならば、なんでもありかもしれないが。なんせ、伝説の大魔道士の館なのだ。
 静まり返った廊下をざっと視線がひとなでし、かちりと止まる。 閉ざされた扉がいくつもある中で、そこだけぽかりと開いていた。

 部屋の中を、覗き込む。
 庭に向かって大きくとられた窓をはさむようにして、壁の両側に棚が据えられている。棚の中はほとんど何も、置かれていない。手前の壁に、ほうきがぽつんとたてかけられていた。あまり使われていない部屋のようだが、そういえば、ほこりっぽさは感じない。木の床など、さっき磨いたかのように輝いている。館の主人が、いや、その忠実なしもべ達が、まめに手を加えているのだろう。
 ふと、視線が吸い寄せられる。右の棚のさらに奥、据え付けられた大甕に隠れるように、白いものが揺れていた。

「どうしたんだい。」
 かけられた声に、モーグリは飛び上がる。ドーガの客人、蜂蜜色の髪を持つ少年が、見下ろしていた。顔を隠すが、もう遅い。
「どこか痛いのかい。具合が悪い?」
 あわてて首をふる鼻先に、黄色い布が差し出された。
「とりあえず、涙をおふきよ。」
 少年の善意はわかるが、今は一人にしてほしいと恨みがましい目線を向ければ、鼻もかんでいいよ、と屈託ない様子で返された。
「わたしを、かわいそがってらっしゃるのなら。」
 モーグリは、きりりとした表情をつくって彼を見上げた。少なくとも、そうしようとした。
「ほうっておいてください・・・大丈夫ですから。」
「できないよ。」
 少年は、きっぱりと言い放つ。
「ここは、引っ込むところじゃない気がするんだ。」
 そのまま、彼はその場に勢いよく座り込み、そしてつぶやく。
「モーグリがそんな悲しい顔するなんて、僕、知らなかったよ。」
君たちを見たのも、昨日が初めてだったけどね。困ったように眉をさげて笑う顔は優しげだが、そこをどく気はないらしい。
「ね、何があったんだい。」
 窓から差し込む午後の光は、とても明るい。

「・・・ラグネイン様を、怒らせてしまいました。」
 しばらくして、モーグリはぽつりと言う。仲間の名前が出たことに内心驚いたものの、少年は何も言わない。
「どうしてあんなに怒ってしまわれたのか、わからなくて。」
「きっかけは、なかったかい。」
「・・・ザンデ様の話をしました。そしたら。」

 はじめは、ドーガやウネの話をしていたのだ。
 主人である大魔道士や、少年がまだ会ったことがないという魔女について、乞われるままに語っていく。少年と話すのは、楽しかった。主人の大事な客人であり、なにより光の戦士という肩書に、はじめは緊張していたモーグリだったが、話すうちにずいぶんと気がほぐれた。
 そのためであろうか、ふと思い出したのだ。かつてこの館でともに過ごした、ドーガとウネの兄弟弟子だった男。それは、懐かしさに、ぽろりとこぼれた言葉であった。
「ザンデ様も、良いひとでした。」
 不自然な沈黙が、部屋に落ちた。流れていた心地よい音楽が、突然止まってしまったような。戸惑いつつ、少年の名を呼ぼうとしたときに。
「そんなわけ、あるか。」
 さほど大きな声ではなかったが、こめられたものの苛烈さに、モーグリは言葉を失った。こちらに向けられた少年の背中は、いっさいを拒絶していた。ひょいと、その右手があがる。何気ない動作に見せかけようと、懸命に何かを抑えこんでいる、手。
「悪いな。おれ、行くわ。」
 彼は最後まで、こちらを見なかった。

 白魔道士は吐息をついた。びくり、とモーグリが背を震わせる。
「違う、違うよ。」
 呆れたとかじゃないし、責めたかったわけでもない、と言って少年はほほえんだ。
「そうだね。・・・どこから話そうか。」
 一人の女の子がいたこと。その子は自分たちみんなにとって、とても大切だったこと。特にラグネインは、絶対にその子を守ろうと思っていたこと。でも、できなかったこと。
 そこまで語った少年は、ふ、と息をひとつ吐く。ただ、事実を伝えようと思った。
「僕らをかばって、彼女は、亡くなった。ザンデの命令を受けた、魔物だった。」

 話せば、モーグリは傷付くだろうとわかっていた。けれども話さないという選択肢は、彼の中にはなかった。これは悲しい話だ、と少年は思う。悲しい話を、悲しい顔でするのは嫌だった。せめて悲しみを中和できないかと、浮かべた笑顔はあいまいだ。だって、悲しすぎる話だから。優しいモーグリの思い出を、傷つけたこと。ラグネインの心は、まだ血を流し続けていること。傷つけようなんて思っていないのに、傷つけてしまうこと。これはみんな、悲しいことだ。
 落とした視線の先、窓から差し込む光に照らされて、木の床がつやつやと光っている。 わずかだが黄みを深めた光の色に、夏の終わりを実感する。もう秋も深まろうというのに。窓の外の木々は、その葉を赤や黄色に染め上げている。

「ザンデ様。」
 ふかふかの、白い毛皮が震えていた。少年はその背をそっと、なでてやる。ザンデという男について、彼はほとんど知らない。とりあえず思いつくのは、力を欲してこの世界を混乱させ、自分たちを一方的に殺そうとし、挙句にエリアの命を奪った、いいところなどひとつも思いつかない男の像。
 しかし、かつて彼はモーグリに、優しさを与えることができていたのだ。彼のために、涙を流させるほどには。
「どうして、どうして。」
 そのあとに続く言葉は、嗚咽にかき消される。彼は、変わってしまったのだろうか。それもやっぱり、悲しいことなのだろうか。


「ありがとう、ございます。」
「どういたしまして。・・・落ち着いたかい?」
 モーグリがうなずくのを見て、少年は腰をあげつつ、そうだ、とつぶやいた。
「これから一つ、やらなきゃいけないことがある。」
 少年は厳かに言葉をつむぐ。その瞳の真剣さに、モーグリも、思わず背筋をぴんと伸ばす。
「もうちょっとしたら、あいつ、きみを探しに来るよ。」
 ラグネインは今頃、モーグリに怒ったことを、死ぬほど後悔しているに違いなかった。謝ろうとするだろう。そういうところは、馬鹿ではないのだ。白魔道士の顔に、満面の笑みが浮かぶ。
「ここで、律儀に待ってやる必要はないよ。ほら、逃げなきゃ!」
 ちょっとしたかくれんぼだ、とうきうきと手を引っ張られ、モーグリは目を白黒させた。

「なあ、モーグリしらねえか。」
 問いかけた相手はソファに寝転がったまま、少年をじろりと見やる。
「ここにいるぞ。見えねえのか。」
 指差すファルスーンの腹の上で、2匹のモーグリが仲良く眠っていた。微笑ましい光景であるし、毛皮が暖かいのはいいものの、この姿勢にも飽きてきた。起こすことなく移動できないか、試行錯誤していたところに、少年がやってきたのだ。
「そうじゃねえよ・・・。」
 つっかかってくるかと思いきや、眉を下げ、足早に立ち去るラグネインに、ファルスーンは首をかしげた。



1/25   


「なあ、まだかぁ?」
「ン〜〜〜、もうちょっと・・・。」

何のかんのと理由をつけて、そばにいたがる。
久々に来た人間に、興味津々だったらかわいいと思います。


1/19   


いまさら(本当に)ディシディア見ました。
天野絵が動いてる。夢にまで見た世界・・・!
たまけんの、FC版を彷彿とさせるグラフィックにもう脱帽というか、拝みたい。
製作者さまありがとう。youtubeもありがとう。


1/14   


わちゃわちゃ。




実際は、みんな体温高そう。寒さに強そう。
色を重ねたら、濁っちゃいました。重ねりゃいいってもんでも無いんだな・・・。
人の肌って難しいけど、本当にいろんな色が含まれてて、興味深いです。


1/4   


今年もよろしくお願いします。壁のラクガキ。


12/29   


なんだか寒そうな恰好した絵ばかり上がっていたので。
巻物系大好き。



野営。荷物とかミニマムで運んでたりしたのかな、とか
どうでもいいことをよく考えます。


12/12   


宿屋にて。扉忘れました。


12/9   

おれたち、お姫様のベッドに寝ちゃったこともあるんだぜ〜!
ええ?!
みたいな。4人といると、王子はいつもびっくり顔してたらいいと思う。




いかずち。苦労した。めっちゃ苦労した。


今は、絵をかくのが楽しいです。上手い下手とかじゃなくてね。楽しい。

最近、仕事面でも非常に息づまりを感じていたのですが、
守りの姿勢に入っていたというか、変化を恐れすぎていたのが、原因だったかと思うことがありました。

で、絵もそうだったのかなあと。
更新止めた時、好きだったはずの絵を描くことがつらくて。 絵を描く技量がないとかよりも、好きだったものを好きじゃなくなってしまったことが、辛かった。

そうなった原因として・・・
私の描きたいものではなくて、他人にかつて、かっこいい言ってもらえたようなものを
作ろうとして、やり方がこり固まっていたのに、知らずうんざりしてたのかな。
他者目線を取り入れることは、とても大切な感覚だと思いますが、
自分があってこそ、他者のそれと、ぶつかれると思うんだ。
今は、色々な方法を試していて、本気のお遊びしている感覚があって楽しいです。
そして見ている方にも、楽しんでもらえたらもっと嬉しい。欲深いぜ。
しかし、好きを共有できるって、すごいことじゃないですかね。
昔から思ってたけど、年を重ねて、さらに思いは深くなる。しんみり。

仕事も、少しでもこうなりゃいいんですが。
自分は突破口・・・までいかないけれど、気の持ちようが見えたのでいいんですが。
つらい顔して働いてる人が、多すぎる。


11/27   


「結構、重いんですね!いつも着けてるのに。」
「・・・慣れだな。」
出かけ支度中。戦士が一番時間がかかる気がする。
というかほかのメンツは、持ち物持てばほぼOK、では。




11/25   サロニアにて SCENE02


前回アップ分をちょっと変更してます。長くなった。


無理すんな、と言いながら、誰かが彼を地面に座らせた。
そのまま、背中をさすってくれる。
全身が冷たい中で、そこだけはほんのり温かい。
彼が覚えているのは、そこまで。
気が付いた時には、寝台の上だった。


見慣れない天井。ここはどこだ?
がばりと掛け布をはねのけ、身を起こした子供の目に映るのは、やはり見慣れぬ部屋、そして。
「気分はどう?」
「大丈夫か?」
傍らには、二人の少年。子供は返事をしようとしたが、のどかひからびたようになっていて、咳が一つ出ただけだった。
木の椀が差し出される。水が満たされたそれを、彼は夢中で飲み干した。
金の髪をした少年が、手に持った水差しから、空になった椀に、再び水を注ぐ。
子供はさっきよりもゆっくりと、それを口に運ぶ。
まだぼんやりしているようだが、その顔色は連れてきた時よりずっとよく、少年は安堵する。
「ラグネイン、水をもらってきてくれないか?」
「よしきた。」
からになった水差しを、傍らの仲間に渡すと、再び彼は子供に向き直り、
ラグネインと呼ばれた少年は鼻歌交じりに、扉へと歩き出す。
「ここは、僕らが泊まってる宿屋だよ。きみ、倒れちゃったんだ。」
その声から、さきほど白魔法をかけてくれた人物だろうと、子供は推測する。
そうだ、彼らと別れて、路地裏に入り、そこで目の前が真っ白になって・・・。
断片的な記憶に、子供は顔をあげた。窓の外はもう日が暮れかかっている。
ずいぶん長居をしてしまった。椀を、傍らの少年に押し付ける。
「すいません!」
そのまま掛け布を跳ね飛ばし、寝台から飛び降りる。
存外に、素早い動きであった。
「え、こら!」
とっさに伸ばした手は、届かなかったが。
「おいおい、おまえ、どーした??」
困惑しきった声がした。ラグネインが、扉の前で子供を捕まえていた。
「ねえ、きみ。」
少年も呼びかけるが、子供の耳には入っていないようだった。
肩をつかまれ動けないまま、子供は叫ぶ。
「っ放せ、わたしは行かないと!」
「どこに行くんだよ?落ち着けよ。」
「あなたがたに、迷惑がかかる!お願いです!」
匿ってくれた老臣の屋敷で受けた、襲撃を思い出す。
辛くも逃げ出したが、その際に人死も出たと、街のうわさできいている。
敵は、あきらめてはいないだろう。ここにいれば、彼らが、また。
そのとき、扉が勢いよく開かれた。外から。

鈍い音。子供はぎょっと目を見開き、硬直する。
扉にしたたか後頭部をぶつけた(この場合は、ぶつけられたというべきか)少年は、
声にならない声をあげて、うずくまる。
「なんだなんだ、元気だな。」
扉を開けたのは、背の高い青年だった。今しかない。
子供はうめく少年の横をすり抜け、扉に向かって突進する。いや、したはずだった。
「ぐえ!」
つぶれたカエルのような声がでた。首が締まる。
子供の服の襟首は、がっちりとつかまれていた。背後の、少年によって。
「ねえ、きみ。」
穏やかな声音はそのままだ。だが、つかまれた襟首がゆるむ気配は、ない。
「帰るのはいいよ。ただし、無茶はいけない。」
「エルケス、離してやれ。子供だぞ。」
服も伸びるしなあ、という現実的な指摘に、扉が閉まる音が重なる。同時に、襟首が解放される。
思わずはあ、と息をつく子供の傍らに歩み寄ったのは、扉をあけた青年だった。
ぽん、と骨ばった手が、肩に置かれる。
「それだけ元気なら、体は大丈夫・・・だな?」
見上げれば、器用に片目をつぶった笑顔。そのまま、大きな手がぽんぽんと、子供の肩をたたく。
子供の身体から、張りつめたものが抜けていく。かわりに、みるみる顔が赤く染まった。
そもそも人前で、われを忘れて怒鳴るなど、彼にとっては初めての経験だった。
そのうえ、恩人に向かって、声を荒げてしまうなど。ひたすら自分が、恥ずかしい。
「乱暴だった。ごめんね。でも、きみも悪いぞ。」
振り向けば、エルケスと呼ばれた少年が苦笑しており、子供はあわてた。
正直言って、本当に驚いた。襟首をつかまれる、なんてことも初めてだ。だが。
「いえ、こちらこそ、すいません。」
助けてもらったのにあんな、としどろもどろに返す子供の手を、エルケスが突然握る。
「じゃ、お互い様だ。もう、ごめんは無し、だよ。」
仲直りの握手、とでたらめに歌いながら振り回される手を見つめ、子供は呆然としている。
そんな二人の横で、復活したラグネインは、青年にかみついていた。
「何すんだ!」
「戸を開けたんだ。」
返答は簡潔だった。
「ノックぐらい、しろや!」
「おまえに礼儀をとかれるなんざ、世も末だなあ。」
ま、悪かったと、あっさり抗議をいなした青年は、再び開いた扉に目を向ける。
「おう、おかえり。」
「やかましいぞ、おまえら。・・・起きたか。具合はどうだ。」
剣を携えた青年は、仲間に小言を言い、子供を気遣った。

不思議な音が部屋に響いた。一斉に注目され、子供がさらに赤くなり、うつむく。
「なんだ、腹が減ってたのか。」
今のは間違いなく、腹の虫がなる音だ。
青年は窓の外に目を向けた。すでに、日は落ちた。
宿の親父も、子供の具合を気にしていた。顔をみせてやれば、安心するだろう。
ちょうどいい。
「メシにするか。」
まだぶつぶつと、恨み言を口にしていたラグネインの顔が輝く。
「ほら、いこうぜ。靴はけよ。」
おまえ、靴もはかずに飛び出そうとするからな、驚いた、などと言う横顔に、子供は驚愕のまなざしを向ける。
いや、彼だけではない。靴はこれだと持ってきてくれたエルケス、扉をあけてこちらを振り返る青年、
その傍らの背の高い青年、それぞれの顔を見る。皆が自分を、待っていた。
一歩も動かない子供に、傍らのラグネインは首をかしげる。
「なんで。」
しぼりだされた疑問符に、少年のほうが不思議そうな顔をする。
「ハラ、減ってるんだろ?」
「わたし、は。」
「いいから付き合え。話はそれからだ。」
相変わらず無愛想な口調で、青年は言う。
行こう、あいつ腹が減ると機嫌が悪いんだ、とラグネインがささやくのに、あわてて靴ひもを結ぶ。
いつもあんなだよ、とエルケスが訂正した。

わらわらと歩き出す中、落ち着かない気分で、傍らの少年を見上げる。
彼にも、ずいぶんと取り乱した姿を見せた。気を悪くさせたのではないか。
子供の視線に気づいたのだろう、ラグネインがこちらを見る。
「だ、大丈夫ですか。その・・ぶつけたところ。」
どう謝罪していいかとっさに思いつかず、口にした言葉。
ラグネインは丸い目を見開き、そして次の瞬間、満面の笑みをうかべた。
「きいたか!こいつ、すげーいいやつだぞ!」
おまえだけだ、おれの心配してくれたの、と言いつつ子供の頭髪をかきまわす。
「うわ、やめてください!」
言いつつ、子供は自分が笑っていることに気が付いた。久々だった。
石より硬い石頭が何言ってやがる、と誰かの軽口に、ラグネインの抗議の声がさらに続く。
5人分の笑い声を響かせながら、一行は食堂をめざす。


11/14   アルス王子



うちのアルス王子は、光の戦士好きすぎるかしら。
王子のビジュアルは、ドット絵派です。
拍手、ありがとうございます。拍手絵変更しました。
1種類です。


11/12   サロニアにて SCENE01

こんな感じで出会った。



彼は、空腹だった。
昨日今日と口にしたのは水と、どこかの家の庭になっていた果物だけ。
美味しそうな匂いにひかれ、この店についふらふらと入ってしまい、このざまだ。

男にねじあげられた左腕が、きしんでいる。
「いい腕輪、してるじゃねえか。」
子供の手には大きすぎるようにも見える、金色のそれ。
なんとか、その手をふりほどこうと暴れた足が偶然、男のすねを蹴とばした。
「いてえ!」
子供は床の上に放り出され、全身をしたたか打ち付け、呻く。
大げさに痛がる男の声と、はやし立てるその仲間。
店の主人が止めようと声をあげるが、男たちはとりあわない。
這いつくばった子供の目線の先に、見せつけるようにゆっくりと、男の靴先が近づいてくる。
「ふざけやがって!」
蹴られる、と反射的に、身体をまるめた。

予想していた衝撃は来なかった。
店の扉が、勢いよく開いたのだ。男たちの注意が、そちらに向かう。
「なあ、まだ昼飯って・・・ん?」
「なんだテメエ?邪魔する」
男は、セリフを最後まで、言うことができなかった。
飛び込んできた人影が、問答無用で男の腹にこぶしを叩き込み、
さらにその勢いのまま、その横の男の顎を突き上げ、吹っ飛ばした。

食器が飛び散り、椅子や机が倒れる音、客たちの悲鳴、男たちの苦鳴。
男たちと子供の間に、誰かが立つ。泥と、土埃にまみれた、革の長靴。
持ち主の顔を見ようと、目線をあげたが、めまいのような不快感におそわれ、目を閉じる。
「大丈夫かい。」
別の誰かが、子供の横にひざをつく。そっと、肩に手が触れる。
「腕、が。」
おもわず言うと、ああ、とうなずく気配とともに、小声で何かつぶやいた。
温かい感覚が全身をふわりとつつみ、みるみる痛みが消えていく。白魔法だ。
「起きれるか。」
さらに別の声に、目を開く。差し出された手に助けられ、身を起こした瞬間、一段と高い、客の悲鳴があがった。
残った二人が、剣を抜いたのだ。子供も思わず息をのむ。
「この野郎!」
一斉にかかってくるのを、人影は横っ飛びにさらりとかわし、ついでに足を突き出し、払った。
一人が見事に蹴つまずき、バランスを崩した仲間の体に、もうひとりも足を取られて、
二人揃ってもんどりうって、床に倒れこむ。
罵り呻きつつ、立ち上がろうとするその鼻先へ、剣が突きつけられた。
長靴の持ち主が、いつの間にか抜いていたものだ。
「記念に鼻でも、置いていくか?」
男たちの喉が、ごくりと鳴った。

店の外、石畳の広場には、午後の日差しがいっぱいにふりそそいでいる。
子供は、まぶしさに目をしばたいた。
「送っていこう。家はどこだ。」
かけられた声に、彼は振り向く。一瞬の間。
「いいえ、すぐ近くだから、大丈夫です。」
完璧な笑顔に切り替わった、と少年は感じた。
そう、切り替わったのだ。その前は、どんな表情をしていた?
「おい!」
「・・・本当に、ありがとうございました。」
その声を振り切るように、子供は素早く頭を下げ、そのまま路地裏へ走りこむ。
少年はあとを追う。仲間たちも、それに続く。
子供を見つけるのは簡単だった。湿った空気が満ちるそこで、彼は壁にもたれかかるように立っていた。
目を固く閉じた顔は、青白く、次の瞬間、その場にずるずると座り込む。
「・・・放っとけないよなあ。」
少年たちの判断は、迅速だった。


11/2   サロニアにて SCENE**


迷う彼に、少年は言う。
「おれたちと、一緒に来るか。」
メシ食いに行くか、というのと変わらぬ口調であった。アルスは、少年を見あげる。

「この街を出るのは、なんでもねーぜ。」
視線と指先を、街を囲む城壁に向け、少年は続ける。
王の命令によって、外への道は封鎖されている。誰も出入りすることは、かなわないはずだった。

「おれたち、普通じゃねーやり方で、ここにきたんだ。出ていくときも、おんなじさ。」
ゆっくりと紡がれる言葉が、夕暮れの光に溶けていく。
少年の言葉に気負いは、ない。事実を述べる、淡々とした気配だけがある。

「飛空艇は壊れちまったから、そいつを探すとこから、始めるか。」
階下の厨房から、美味そうな匂いが流れてくる。
手に入る材料が少ないとこぼしつつ、ここがウデの見せ所だぜ、と太い腕をたたいてみせた、宿の店主。

「あいつらも、ダメって言わねーぜ、絶対。おまえが、そうしたいんだったら。」
街に夕日の帳が落ちかかり、淡い橙色が満ちていく。
窓から吹き込む風に、ふと混じりこむ、硝煙の匂い。広がり続けている、戦争の傷。

魅力的な提案だ。アルスは自分自身に問いかける。
確かめる。
答えはすでに、決まっていたのに、ようやく気付いた。

「戦争が終わったら。この国が元通りになったら、あなたがたと、行きたいな。」
王子たる彼は、国を離れることはできない。
かなうことのない夢だ。わがままだ。甘えだ。
わかっていても、言葉にしておきたかった。伝えたかった。
少年は、ゆっくりうなずく。
彼もまた、アルスの答えを、はじめから、わかっていたようだった。


その夜、アルスは少年と、その仲間たちに切り出した。
戦争をなんとしても止めたいこと。そのために、父王と、会って話をしたいこと。
「わたしに、力をかしてください。」

父を止められるか、わからない。戦争を止められるか、わからない。
それでも、この国を、父を、救いたいし守りたい。そしてその可能性を、自分は持っている。
恐ろしくもあったそれが、はっきりと希望に変わったことを、アルスは知った。


10/30   サロニアにて SCENE**


寝台は4つ、部屋にいるのは5人。
1人は床に、毛布を敷いて、寝ることになるのだが。
「もともと、みなさんの部屋です。わたしが、床に寝ます。」
「慣れないことは、しなくていい。」
「野宿とか普通だろ、おれたち。慣れてンだよ。なあ?」
「屋根の下で寝れるだけでも、結構、嬉しいからなあ。」
「あなた方と会う前、橋の下で寝たこともあります!」
「ならなおさら、寝れるときは、きちんと寝なくちゃ。」
「それは、みなさんも同じでしょう。」
いつまでも終わらぬ譲り合い、話し合い、王子様の思いがけない強情さに、少年はしびれを切らした。
「仕方ねえなあ。」
にやりと笑い、こぶしを突き出す。
「勝つも負けるも、恨みっこなし!真剣じゃんけんだ!」

その夜、少年は、床の上でしみじみ思う。言いだしっぺがこうなると。
だがもちろん、後悔はしていない。


10/22   結局タブレット買った



10/9   サロニアにて SCENE**

はじめて彼らと一緒にとった食事だった。

温かいスープが、喉を滑り落ちる。
「おいしい。」
思わず漏れた言葉に、そうだろう、と少年が破顔する。
「おれ、このスープが一番好きだ。」
「このスープしか、飲んだことないじゃないか。」
まぜっかえす白魔道士も、心底幸せそうな顔で、さじを口に運んでいる。
卓に並んでいるのは、ほんの少しの肉と、ゆでたジャガイモ、平たいパン、それからこのスープ。
肉以外はおかわり自由と、皿を置きつつ、宿のおやじは言い添えた。
「足りなきゃ、言えよ。遠慮するなよ。」
「じゃあおれ、スープとイモ、おかわりしよう。」
おまえに言ってねえ、とおおげさににらんで見せる黒魔道士に、
こいつとおれが食うんだ、と少年は舌を出す。
なあ、と笑顔で覗き込まれて、反射的にうなずいていた。
なら俺も、と、ちゃっかり戦士が手を挙げて、気が付けば全員分、追加されていた。

正直、スープの味はよく覚えていない。
ただ、それをとてもおいしく感じたこと、
食事のあいだ中、腹の底がじんわりと温かくて、
これはスープのせいだけじゃない、と思ったことは、忘れない。
忘れられない。


9/22

これにてエリア編、終了。夏も終わりますね。


ほほにあたる夜風が、心地いい。
甲板へ通じる扉が開く音に、振り返る。
「おどろかせたか。」
すい、とほそながい影が、歩み寄る。
少女は少し、と笑って見せた。
「そいつは失礼。」
黒魔道士は、おおげさに頭を垂れて見せ、少女は思わずふき出した。

「気づいてたかい、あの星に。」
体躯と同じ、ほそながい指が空を指し示す。月のすぐ横、おおきく輝く青い星。
「ええ。」
少女はうなずく。ちょうどクリスタルが沈む前、突如あの星が出現した。
凶つ星だと、神殿中が大騒ぎになったのだ。
「俺のとこも、そうだったなあ。」
黒魔道士は、したり顔でうなずいた。甲板の、手すりにもたれかかる。
「小さな村で、普段は星に興味あるやつなんか、いないのにな。そういう話は広まるのが早いんだ。」」

三百年に一度、起きる事象。
多少の誤差はあれ、昼のあとには夜が来る、そんな自然の摂理と同じこと。
ただ、見慣れないだけ。
そこに、人々は様々な意味を重ね合わせる。見出そうとする。

少女もそれを知っていた。それでもね、と彼女は続ける。
「わたし、怖かったの。あの星が見えるたびに、怖かった。」
やがて本当に、恐ろしいことが、起きてしまった。
世界が沈み、彼女も眠りに沈んでいく。
病床の窓、まどろむ合間に星が見えれば、もっと悪いことが起きるのではないかと、おびえていた。
「でも、ね。」
少女は、いったん口をつぐむ。
長い沈黙。でも気にならない。
ひとが真摯に言葉を探すのを待つのは、苦ではない。
「・・・あなたたちが来てくれた。悪いことだけじゃ、なかった。」
声は小さいが、きっぱりとしていた。
「ほんとうに、嬉しかったの。」
「・・・光栄至極、ってやつだなあ。」
照れ隠しと本気とを、混ざり合わせて、ついでに口笛も吹いてやる。
ささやかな笑い声が、波の音に、まぎれていく。


茜色の空が、群青に染まりゆく。
一番星が、輝き始める。次に、あの星。
単なる自然現象。ひとはそれに、様々な意味を重ね合わせる。

ねえ、メルフィスは怖かった?
俺は、綺麗だとおもったなあ。あんなに大きな星って、そうないだろう。

世界は大きく変わってしまった。
黒魔道士は、目を閉じる。夜が、訪れようとしていた。



9/20

だめだだめだと声がする。
少女は一瞬で消えてしまった。
だめだだめだ。そんなのだめだ。
呪詛のような言葉は、自分が発していたものだった。


「だめだ、ラグネイン!」
 叫び声に、足が止まった。視界に色が、よみがえる。振り返れば、仲間の姿が遠くに見えた。震える大地。ぱらぱらと天井から、岩のかけらがおちてくる。神殿が、崩れようとしているのか。巫女を失ったから。
 失った?その言葉に、何か獰猛なものが心を占め、再び少年は祭壇に向き直る。祭壇の白さが、視界を埋める。世界から色が消える。だめだだめだ。エリアを連れて、帰らなきゃ。一緒に行くと、約束した。
 「このアホウ!」
 突然、耳元で怒声が響き、背後に何かがとりついた。羽交い絞めにされたまま、問答無用で後ろにひきずられる。祭壇が遠くなっていく。引きはがそうとするものの、両腕がまるで動かない、動かせない。かわりに、あらんかぎりの罵声を浴びせるが、拘束が緩む気配はみじんもない。
 仕方がない。少年は上半身ごと前傾させ、振り子のように勢いをつけて飛び上がる。いわゆる頭突きというやつだ。固い衝撃。うめき声とともに、両腕が解放されたが、少年自身も無傷とはいかなかった。脳天から星が散る。足がふらつき、視界が揺れ、そして。

 水とも霧ともつかないものが、目の前にある。水のように見え、水の気配をまといつつも、神殿の床を覆うそれは決して触れることはできない。彼は床に転がっていた。床の冷たさと裏腹に、頬がじくじくとうずいて熱を持っていく。殴られたのだ。のろのろと、身を起こした目にまず飛び込んだのは、鮮烈な赤。そして鬼もかくやと思うような、怒りの形相の戦士であった。
「すごい顔だな。」
「おまえだろうが。」
 鼻から流れる血を服のそででぬぐいながら、戦士は唸る。凶悪と言ってもいい顔つきだ。殴り飛ばした少年に足音荒く走り寄り、腕をつかんで引き起こす。
「いくぞ。時間がない。脱出魔法だ。」
 だが立ち上がった少年は、つかまれた腕を振り払って彼をにらんだ。
「おれは行かない。エリアを、置いていけない。」
「まだそんなことを。」
「そんなことって、なんだ!」
 かみつくように彼は叫ぶ。情景がよみがえる。血は一滴も出なかった。エリアはゆっくり、ほほえんでいた。優しい顔だった。なぜ、と少年は思う。自分は彼女を守れなかったのに。そうだ、自分は彼女を守れなかった。だから彼女はもういない。
 認めたくなかった。けれど認めたくないということは、自分は知っているのだ。彼女が失われたことを。

「エリアを殺した!おれが!」
 少年の叫びは、止まらない。
「おれは、エリアを守れなかった!」
 血を吐くような、感情の吐露であった。一番守りたかったもの。失いたくないものが、一瞬で消えた時と同じだった。そうじゃない、と戦士は歯噛みする。なぜわからない。
「エリアも、お前を守りたかったんだ!」
 地鳴りの音にかき消されぬよう、彼は声を張り上げる。少女も少年も、思いは一緒だったのだ。矢が射られたあの瞬間、いのちと引き換えに相手を救うことになるなど、少女は思っていなかっただろう。それは結果だ。あの子はただひたすらに、少年を助けたかっただけなのだ。
「ここでくたばるか。そしてあの子を、悲しませるのか。」
 それに気づかず、それどころか少女の想いをなげうって、勝手に死に急ぐような少年の行動が、彼にはゆるせなかった。
「あの子はそんなこと、絶対に望んじゃいない。」
 突き上げてきた感情の思いがけない激しさに、戦士の心が警鐘をならす。感情に溺れて、すべきことを忘れてはならなかった。猶予はない。口の中に流れ込んだ生ぬるく鉄さび臭い血の味が、ふいに大きく意識にのぼる。わずらわしさに、唾を吐く。

「俺はいやだ。」
 つぶやきは、決意の表れだった。これ以上失うのは、御免だった。手荒な手段になろうが恨まれようが、少年を連れ帰る。それが今の自分にできることであり、すべきことだった。少女のためにも。踏み出す彼を、少年は呆然とした顔で見ていた。漏れ出た声音も、呆然としていた。
「おまえ、泣いてんの。」
「泣くか。」
 即座に応えを返すと同時に、彼は手で、ぐいりと顔をぬぐった。固まりかけた鼻血が顔中に広がる。すごい顔だと再び少年は思い、気が付いた。ずっと怒っていると思っていたあの顔は、悲しみをこらえていた顔でも、あったのだ。彼も少女を失い、悲しんでいる。そして今もまた。
 こいつは怒ってるんだ、と少年は思う。少年に、そして自分自身にも。同時に、悲しんでいる。少女を失ったことに。仲間を失おうとしていることに。守れなかったこと、守れないかもしれないことに。
 視界が、色が、ぼやけていく。泣いているのは自分だと、少年はいまさら気づく。チクショウ、とつぶやいた。守りたかった。でももうできない。なんでおれを守ったんだ、残されたくなかった、一緒にいたかった。残されることが、こんなにつらいと知らなかった。チクショウ、チクショウ。
 もうこんな思いはしたくないし、させたくない。
 つかみきれない感情が、少年の中で荒れ狂う。吐き出さないと、おかしくなりそうだ。

「早く!」
 白魔道士が叫んでいる。再び手をつかまれたのを振り払い、少年は、涙をぬぐう。
「かっこわるいな、鼻血なんてさ。」
 おれも鼻水止まらねえけど。にかりと笑って見上げると、視線と視線がかちあった。ひとつうなずき、二人同時に仲間のもとへ走り出す。
「おれ、思いだしたんだ!」
 舌をかみそうになりながら、少年は戦士に怒鳴る。今、ここで伝えておきたかった。
 最後に聞いた少女の言葉。闇を振り払い、この世界にふたたび平和を。そして、それは。
「わたしのためにもって、言ってた!」
「忘れんなよ!」
 戦士が怒鳴り返す。託されたものに気が付いた今、それを放り出すことはできない。あの子の最後の願いなら、なおさら。自分たちは確かに受け取ったのだ。また視界がぼやけそうになり、少年は一瞬だけ、強く目をつぶる。それから前を見据えてひた走る。
「崩れる!」
 二人に向けて、白魔道士が手を差し伸べる。その手をしっかり握ると同時に、黒魔道士が力ある言葉を解き放った。




9/18 いつでもこのパターン

がたん、がたんと何かが床にぶつかり合うような音がしていたのだ。
それに混じってかすかに聞こえる、わめき声。
甲板に出た少女が見たのは、取っ組み合って転がりまわる少年達。
「あれ、エリア。」
エルケスが彼女に気付き、ラグネインを蹴飛ばして立ちあがる。
笑顔だがその髪はぐしゃぐしゃ、右の頬はまっかに腫れている。
「いってえな〜!」
と、そこに背後からラグネインが飛びかかり、両者は再び、もつれあって床に転がった。
ごいん、という鈍くて大きな音がした。甲板に、思い切り頭をぶつけたのだ。どちらかは、わからない。
本気の喧嘩ではもちろん、ない。じゃれあいのようなものだ。本人達にとっては。
だが、少女にとっては違っていた。
初めて見る光景に、少女の目は驚きに見開かれていた。そして、大粒の涙がぽろりと落ちた。

「エリアーーー?!」
ただならぬ叫び声。
何事かと、甲板への扉を開け放ったファルスーンは、少年たちと、涙をうかべた少女の顔に、さらに表情を険しくする。
「何やったんだ、おまえら。」
「違うの、違うの、ファルスーン。」
大股で歩み寄る彼と少年たちの間に、少女があわてて割り込んだ。
「二人が喧嘩しているとおもったの。びっくりしてしまって。」
勘違いだったの、二人は悪くないの、とうるんだ瞳に見上げられ、ファルスーンは内心、おおいにひるんだ。
なんというか、調子が狂う。苦手だ。
二人の少年をちらりと見やれば、悄然とした様子で、うなだれている。たぶん、本気でしょげている。
大いに珍しいことであった。
「・・・エリアに謝ったのか。」
助け舟、というわけでもなかったが。声をかければ、二人とも、はっとして顔をあげた。
そんなのいい、と首をふる少女に、あんたを泣かしたからな、と言葉を返す。
理屈になっていない気もするが、理由にはなっているだろう。それは二人にとっても、同様で。
本当にごめん、という一斉唱和に、
「こちらこそ、ごめんなさい。」
エリアは、淡くほほえんだ。
少年たちが、ほっとした表情になる。

それを見届け、ファルスーンは、踵を返す。
「俺は、先に寝るからな。」
甲板に続く階段をさっさと下りつつ、彼は思う。
自分もやはり、彼らとおなじような表情をしているに違いない。
頬が、ほのかに熱い気がする。やっぱり調子が狂う、と。



9/3 むかし語り

神殿の近く、夏になったら白い花がいっぱいに咲くところがあるの。


「山に囲まれた、ちいさな村だよ。夏になったらね、山のふもと・・・クリスタルの神殿近くに、いっぱいに白い花が咲くんだ。すごく綺麗なんだよ。」
「もしかして、花びらが5枚あって、これくらい(手で高さを示すエリア)の背の高さの?」
「そう、そう!葉っぱはニンジンに似てて、花は・・・これくらい(指で高さを示す白魔道士)かな」
「秋になったら丸い実を付けない?割ると黒くてちっちゃな種がいっぱい入ってるのよね!」
「わ!ここでも咲くの?」
「そうよ、水の神殿の近くの野原に、夏になると咲いてたの。きっと同じ花ね!」
「こんなんだろー?(少年、砂浜に絵を書く)」
「何ソレ、似て無いよ!(白魔道士断言、エリア笑う)」
「えー」
「こんなのだよ(白魔道士、その横に絵を描く)、花びら、丸かったじゃない・・・コレとがってるよすっごく。」
「あー!これこれ!絶対これ!」
「(黒魔道士、少年が描いた絵を上から覗き込み)なんだこりゃ、へたくそにもほどがあるな。」
「うるせーよ、どっからわいて来たんだよ!」




8/13 エリア月間。夏なので。

「一緒につれていってください!」
「ダメだ。」
少女の懇願を、彼はあっさり一蹴した。

 まさか、ここで拒否するとは。黒魔道士は、いっそ感嘆した。いたいけな少女の言葉を一言で切り捨てるなど、なかなかできることではない。
「そんな言い方ないだろ!」
「そうだよ、あんまりじゃない?!」
 皆があっけにとられた一瞬後、ほかの二人はくってかかった。対する戦士は、反論するでもなく、口をへの字に曲げたまま突っ立っている。一見無表情に見えるが、あれは誰が何を言おうが、自分の考えを曲げないときの顔だと、黒魔道士は察してしまう。だてに付き合いは長くない。
 どうしたもんかと視線をずらせば、エリアの世話をしていた老人が、複雑な表情を浮かべている。騒ぐ仲間たちを見やりつつ、何事か考え込んでいるようだ。そして肝心の巫女姫は。
「あの」
 静かな声。涙でも浮かんでいるかと思ったが、彼女の大きな目に、揺らぎはない。
「理由をきかせてください。なぜ、だめなのか。」
 ぎゃんぎゃんとわめいていた二人も、口を閉ざす。皆の視線が、彼に集中した。

「・・・・あんたは病み上がりだ。」
 淡々とした、言葉。
「無理はさせられん。しんどいんだろ。」
「わしも・・・彼の意見に賛成じゃよ。」
 老人がはじめて口を開いた。ゆっくりと、首を振る。
「エリア、無茶はいかん。」
 せっかく助かったのに、と短いけれども切実な言葉が続く。エリアが目を覚ました時には、あんなに喜んでくれたひとなのだ。自分が無理を言っていることが、わかっているのだろう。少女はうつむく。その首はひどく細く、白い。

「たとえば、あんたからクリスタルを預かって、俺たちがかわりにいくのはだめなのか?」
 黒魔道士の言葉に、少女は首をふる。
「クリスタルに光を取り戻すためには、私が・・・巫女の力が必要なのです。」
 悲壮ともいえる表情に、黒魔道士は心の中でため息をつく。こんな少女にこんな顔をさせていることが、やりきれない。世界がかかっているとか以前の話だ。重い沈黙を振り払うように、戦士に向かって口を開く。
「巫女姫は、神殿に行かなきゃいけない。けど、こんな状態で連れて行けない。」
 そういうことだな、と戦士に向かって確認すれば黙ってうなずいた。言葉が足りなさすぎるのは、この男の性分を超えて、悪い癖といってもいいだろう。苦情を言うのは後にするとして、と黒魔道士は思考を切り替える。どちらの言うことも一理ある。だが、このままでは平行線だ。しばしの沈黙ののち、彼は口を開く。
「俺たちの船でなあ・・・しばらく休むのは、どうだ。」

 今のエリアは、起きているだけでもつらそうだ。正直、水の神殿へ行くことすらも耐えられるか。ならばしばらく船で療養し、せめて体力が回復するのを待って出発するというのが、黒魔道士の提案だった。
 かといってこの船は、はじめ見たときには、ひとがいるとは思わなかったような代物だ。老人の努力のたまものだろう。船内は清潔に保たれているが、あちこちガタが来ているのは、素人目にもわかる。雨露がきちんとしのげるかも、正直怪しい。
 彼らの船も決して豪華ではないが、エリアの寝ている寝台一つと比べてみても、ずいぶんましに思えてくる。療養するならなおのこと。

「エリアは女の子だから、一室使ってな。俺たちとじいさんは相部屋だ。寝台は足りる。」
 エリアは目を丸くしているが、あんたのためだ、まあここは耐えてくれと心の中で手を合わせる。嫌そうな顔をしていないのが、せめてもの救いだった。どうどうめぐりの話し合いは、性に合わない。一度口に出したからには、周りを巻き込み、どんどん話をすすめていくに限る。次に、同じように目を丸くしているモンクの肩を軽くつつく。
「こいつ、メシ作りが得意でな。食べれば体力もつくだろう。」
 まかせとけ、とモンクが胸をはる。調子いいなあ、と笑う白魔道士につられたか、エリアがはじめて笑顔をみせた。もともと整った顔立の少女だが、笑ったほうがずっと、かわいらしい。少年二人の顔が、みるみる間に赤く染まった。戦士の仏頂面も心なしか緩んでいる。自分自身は言わずもがな。みんなを幸せにする笑顔、なんて素敵なものだろう。
「じ、じいさんも、楽しみにしてくれよ!」
 なぜか老人の手を握りしめ、赤い顔のままモンクが叫ぶ。老人の顔に苦笑が広がり、こちらもうなずく。お目付け役の許可も得た。満場一致、異議はなし。
「決まりだなあ。」
「・・・ああ。」
 ぶっきらぼうな声の中に、ほっとした色が含まれているのを感じとり、黒魔道士はこっそり笑った。



7/25

ああなんてきれいな空だろう。
一面に金と赤の夕焼けが広がっている。
神殿がある島以外、何もなかったはずの海にはいまや、陸地の影が黒々と浮かびたつ。
ねぐらに帰るのか、海鳥が空をわたっていく。
あの子がいなくなったかわりに、世界は目覚めた。

そして僕らはここにいる。
けれどやっぱりあの子はいない。この景色を、一緒に見ていない。
世界がきれいであればあるほど、押しつぶされる心地がした。


6/5


拍手絵更新しました。1種類です。

6/4



今の時期の夕暮れ時が、とても好きです。


5/29


お久しぶりです。
なんとかスマホで絵がかけないかと、試行錯誤はじめました。
画面に直接絵を描けるって、ほんと理想ですけど、ちっこいわiphone。
使ってるスタイラスペンはThe Friendly Swede。
はじめてのスタイラスなので、比較とかできませんが、思ったよりも使いやすい。
先っちょの円盤とかどうなの、と思ってましたが、そんな気にならない。
もちろん、ずれとかありますけどね。そんな繊細な絵をかいてないからな・・・。
画像ソフトはいろいろさすらい中です。おすすめあれば、教えてください。。

もうちょっとなれたら、他のも使ってみたいです。wacom様とか。
ずっと手を動かしてなかったから、ツール云々以前の問題もあるんですけど、
やっぱかきたいものがあるので、再度精進。

絵板的に、思いついたらぱっとアップできるツールというか、やり方も探索中。




城を抜け出し、チョコボを走らせるのはあの湖。
湖面を眺めていると、くさくさした気分が晴れていく。
つかの間だったが、ともに過ごした少年たちは、今頃どうしているのだろう。
ただひとつわかっているのは、彼らは彼らの道を、 ひたすらに歩んでいるであろうこと。
「たまには、手紙くらいよこしなさいよね。」
つぶやきは、風にとける。







■リンクについて
バナー以外の無断転載はご勘弁下さい。リンクの切り張りはご自由に。
サイト名は蒼 草(ソウソウ)、管理者はTAKAになります。

バナーは下記をお使い下さい。

http://takas.s20.xrea.com/link/banner1.gif