アルスラーン戦記最終巻読みました

長かった・・・30年か。この小説にはまって、当時挿絵を描いてた天野さんがパッケージイラストを描いてたから、FF3もはじめたんですよ。なので、FF3のうちの子達の名前は、アルスラーン戦記の影響も受けている。気がする。「●●ン」とか。なんせ完結してくれてよかった。

深夜、最後まで一気に読んで、泣いちゃいました。・・・話の内容に感極まってというよりも、本当にこの作品好きだったなあ、大好きなひとつの世界が完成して、もう新しい話が読めない悲しさ反面、区切りがついてよかったなあとか、いろんなものをくれて感謝だわとか、そんなもろもろが合わさっての泣きでした。 朝起きたら顔が腫れて大変だったぜ 。

アルスラーン戦記は・・・全体を通してアルスラーン陣営できすぎというか、いきなり無双状態というかなんですけど、英雄譚としてすごく引き込まれるものがあります。なにせキャラクターが魅力的というか、親しみがあって読みやすいので、おすすめです。それでは以下ネタバレ。

一番好きなのは、ラジェンドラの「おれは、あいつが好きだったのかなあ・・・」というセリフです。 ラジェンドラはキャラとして好きですが、彼のシーンが蛇王云々差し置いて一番好きというのも、アルスラーンたちに申し訳ない気もするけど(笑)、やっぱりこのシーンが一番好きだな。

アルスラーンが生きてたら、ラジェンドラはこんなこと絶対言わないと思うので。 本当に亡くなったのだなと改めて実感する一方、 ラジェンドラがアルスラーンへ素の言葉をかけたのは初めてだと思うし(下心満載の言葉はいっぱい言ってたと思うのですが・・・笑)、そういった意味でも感慨深い。

今までラジェンドラが知っていた「好き」とは違ったかもしれないけれど、確かにアルスラーン個人のことを好いていたんだなあと。 アルスラーンの部下たちが彼を慕うのとはまた別の、雑味が混じった情というか関係が垣間見えてとても好きです。 対するサリーマの言葉も、さりげない優しさを感じられていい。

冒頭でジャスワントが亡くなりますが、この三人の関係を示唆する記述もあわせて印象深いです。ジャスワントといい、アルスラーンといい、失ってからはじめて本音が言えるというのがなあ。ジャスワントは、地味にお気に入りのキャラでした。サリーマ様といい、彼の隠れファンは多かったのではなかろうか。

それ以外のシーンは・・・バッタバッタとキャラが死んでいくので、つらい。皆殺しの田中降臨についてはいろいろと意見はあると思いますが(とりあえず自分の意見をまとめるまではネタバレ厳禁のため、よそさんの感想はまだ読んでない)、受け入れるしかないわな。 だからといって辛くないわけではもちろんなく、めちゃくちゃつらい。つらい。つらい。

ダリューンなんてこいつ絶対死ぬわ、フラグ立ちまくりやわと思ったけど、思ったけど・・・!やっぱりつらい。彼に限らず、後半はみんながいかに死んでいくかの描写なので、実はあんまり読み返してない。つらい。

ただ、アル戦に限らず登場人物の死の描写に関して、「●●をこんな殺し方した!」とか「あっけなく殺しすぎ」という作品批判を見かけることがありますが、私はそこは批判の対象にはならないかな。「ええ~ここで死ぬ?!」と思うことはもちろんありますが、 日常でもみんないつか死ぬわりに、本人が望む死に方ができることがそもそも奇跡なので、いやまじかよと思う死は、それはそれであるよなと。死んでほしいわけじゃないけどね。

話を戻して・・・あとは、ヒルメスがどんどん擦り切れていくのが印象的でした。この人も自分の理想を追った点ではアルスラーンと同じなのに、対比がすごい。 ザッハークと対峙して恐怖することとか、周りの人間を不幸にしてしまうと自嘲したりとか、人間らしさ・・・弱さが出ててよっぽど親近感がわいて良かったんですけど。 ただ、それがやぶれかぶれに根差した弱さってのがな、悲しいな。

最後に、ダリューンと同じ墓にいれてくれっていうアルスラーンの言葉にはびっくりしました。確かに初めてできた腹心の部下なんですけど、なんかもうダリューンが陛下のこと好きなの当たり前というかむしろデフォルトすぎる( ※ちなみにこの二人にはBL的なものはまったく感じない・・・我ながら不思議 )のと、アルスラーンからダリューンに対してのアクションがあまり記憶になくて。神前決闘で激怒したことぐらい?でもダリューンだからというより、どの部下が同じ目にあっても、同じように怒りそうなので。特別だってはっきり示したの、最初で最後じゃないかな。

我ながらバランス悪い感想ですが、とりあえずここまで。いや~でも一番の感想は、わてが死ぬまでに読めて良かった・・・かな。

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